
『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』鑑賞してきました。
トム・ホランド版ピーター・パーカーにしっかり視点をあてつつ、笑いと涙の繰り返しで感情揺さぶられまくる作品でした!
『最高!!』
その一言につきる作品でした。
映画館でどよめきや笑い声が上がっていたのをみると、私だけがそう思っているわけでは無さそうです。
今回はスパイダーマンの歴史を振り返りながら、感想述べて行きたいと思います。
※ネタバレあり感想はタブをクリックしないと出ない設定にしていますが、鑑賞前の方は十分に注意して記事におすすみください。
※本記事では予告映像の内容はネタバレに含みませんのでご了承ください。
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スパイダーマン映画化権利の歴史
今回の『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』は、予告の時点でファン歓喜の展開がありました。
それは「過去作の敵が再登場する」ということです。

えっ?過去作の登場人物が出てくるのは全然あるよね?
そう思うのは無理ないです。
しかし、スパイダーマンに関してはこれがとんでもないサプライズになります。
それには、スパイダーマン映画化権が深く深く関係してきます。
ようは“大人の事情”ってやつです。
スパイダーマンで触れておきたい歴史は
- マーベルの経営難
- サム・ライミ監督の離脱
- アメイジング・スパイダーマンの打ち切り
- MCUへ参戦
マーベルの経営難

1998年、当時のマーベルは経営難で先が危うい状況でした。
そこでマーベルは、コミックのキャラクターであるスパイダーマンやアイアンマンなどの映画化権の商談をソニー・ピクチャーズに持ちかけます。
ソニー・ピクチャーズは「スパイダーマンの映画化権を購入」
マーベルはスパイダーマンの映画化権をソニー・ピクチャーズに売却し、スパイダーマン及びその敵など900のキャラクターの映画化権を無くしました。
マーベルは自らが生み出したヒーローの映画を作ることができない状態となったわけです。
サム・ライミ監督の離脱
スパイダーマンの映画化権を獲得したソニー・ピクチャーズは、2002年にサム・ライミ監督の『スパイダーマン』を公開し、大ヒットを記録しました。

スパイダーマン (吹替版)
この時期のスパイダーマンは通称“サム・ライミ版”と言われ、スパイダーマンはトビー・マグワイアが、敵のグリーンゴブリンをウィレム・デフォーが演じています。
その後『スパイダーマン2』、『スパイダーマン3』と公開されました。

スパイダーマン2 (吹替版)

スパイダーマン™3 (吹替版)
スパイダーマンは引き続きトビー・マグワイアが演じ、
敵もアルフレッド・モリーナ演じるドクター・オクトパス、トーマス・ヘイデン・チャーチ演じるサンドマンなどスパイダーマンの敵と言ったらこれ!というキャラクターが登場します。
しかし、続編制作にあたりソニー・ピクチャーズとサム・ライミ監督で意見の相違があり、サム・ライミ監督は制作から離脱。
サム・ライミ版は終了となりました。
アメイジング・スパイダーマンの打ち切り

アメイジング・スパイダーマン (吹替版)
その後、2012年にマーク・ウェブ監督の『アメイジング・スパイダーマン』が公開されます。
トビー・マグワイアは降板となり、後を継いだのがアンドリュー・ガーフィールドです。
アメイジング・スパイダーマンでは、リス・エヴァンス演じるリザードが敵として登場します。
また、2014年には『アメイジング・スパイダーマン2』が公開。

アメイジング・スパイダーマン2 (吹替版)
ジェイミー・フォックス演じるエレクトロが敵として登場します。
続編も予定されていましたが、マーベル・スタジオとの新シリーズが発表されアメイジング・スパイダーマンは打ち切りとなりました。
MCUへ参戦
既にMCUというシリーズを展開していたマーベル・スタジオは、ソニー・ピクチャーズとパートナーシップを締結し、スパイダーマンの権利を共有することなりました。
そしてファンが待ちに待った展開。
マーベル・スタジオのMCU作品『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』にトム・ホランド演じるスパイダーマンが登場。
“マーベルにスパイダーマンが帰ってきた”
歓喜の展開となりました。
ノー・ウェイ・ホームの予告でファンが歓喜した理由
『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』の予告は第1段からファンを歓喜させました。
- マルチバースの存在
- 過去作のキャラクターが再登場
マルチバースの存在

予告の前半でベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジから「マルチバース」という言葉がでました。
これはファンが歓喜というより、ようやくここに来たかといった感じでしょうか。
マルチバースとは、自分のいる世界とは別の世界線が存在することを示しています。
設定上、MCUの物語は「アース199999」というあらゆる地球の中の一つ地球の話とされています。
要は“別の地球”が存在するということです。
前述したサム・ライミ版は「アース96283」、アメイジング・スパイダーマンは「アース120703」の話とされています。
各世界線にはそれぞれ“その世界の自分”がいます。
こっちの世界にスパイダーマン、あっちの世界にもスパイダーマンがいるといった感じです。
この「マルチバース」が映画で話の大枠になるのはMCUで初めてになります。
過去作のキャラクターが再登場
上述したとおり、『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』の予告に「過去作の敵が再登場」しました。
第一弾では、アルフレッド・モリーナ演じるドクター・オクトパスが登場。
これどこがすごいかわかりますか?
演じている役者さんが一緒なんです!
アルフレッド・モリーナが演じるドクター・オクトパスは、サム・ライミ版のスパイダーマンに登場した敵です。
そこから再登場ということは、サム・ライミ版のスパイダーマンに登場したドクター・オクトパスと同一人物ということです。
マルチバースの壁も大人の事情の壁も越えてやってきたということです。
これは大乱闘スマッシュブラザーズに様々なゲーム配給会社のキャラクターが集合している感動と近い。
その後、ウィレム・デフォー演じるグリーンゴブリン、ジェイミー・フォックス演じるエレクトロの登場も公表されたことでアメイジング・スパイダーマンからも再登場することとなりました。
ますます過去作の鑑賞が必須になりそうですね!
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では、ここからは感想といきましょう。
映画館で上映終了して口から溢れた言葉は

「やばい、、最高。」
これに尽きる作品です。
MCUを、マーベル作品を追い続けた私にとっては最高のプレゼントでした。
この作品を作ってくれて本当にありがとうと心の底から思いました。
ストーリーの完成度とシンプルさ

私は今回予告映像から『スパイダーマンNWH』に絶望感や焦りを感じていたため、かなりシリアスな内容になるのではないかと勝手に想像していました。
しかし、さすがジョン・ワッツ監督。さすがトムホ版スパーダーマン。
根本にはしっかり学園青春コメディがあり、軸が全くぶれていない。
そのため、涙していたと思ったら笑い、また涙してといい意味で感情がぐちゃぐちゃになりました。
感情を揺さぶられながらも、最終的にスッとまとまる。
予告だけでもあれだけのキャラクターが出てくるのに、むしろ全てのキャラクターの味を出し、それによって化学反応が起きて深みがでる。
前項でも書きましたが、今回の作品にはマルチバースの話が出てきます。
マルチバースはファンにとって嬉しい展開である反面、新規のファンにとっては近寄り難い印象もありました。
しかし今作では、マルチバースという考えを使うことでむしろ話をシンプルにしてくれています。

とにかく鑑賞していて良い意味で考えない作品です。
トム・ホランド版スパイダーマンらしさ

今作は高校生であるトム・ホランド版スパイダーマンらしさが散りばめられています。
作中、様々な“選択”が迫られます。
その選択に“らしさ”が出てました。
「えっ!そういくの!」という判断で、その斬新さが物語をより面白くしているのだと感じました。
また、ピーター・パーカーの大事な人物であるメイおばさんやMJの発言に心が動く辺りもらしさを感じました。
何だか親の気持ちでピーター・パーカーを見ていましたが、物語が進むにつれて成長を感じ、終盤にはピーター・パーカーの背中にトニー・スタークが見えたように思えました。

トニーの意志はしっかり受け継がれていたなと感じました。
《ネタバレあり》感想
ここからはネタバレありとなります。
鑑賞前の方は下のタブをタップしないようにお願いします。
一言で。


今作は一言で『スパイダーマンが終わり、スパイダーマンが始まる映画』と感じました。
過去作のスパイダーマンとMCU版のスパイダーマンを比べると、MCU版のスパイダーマンはどこか明るく、仲間に囲まれた存在になっています。
しかしミステリオとの一件で正体がバレた上、あらむ容疑を被せられ世界中が敵になってしまいます。
そこに「メイおばさんの死」、そして「世界からピーター・パーカーが存在していた事実が消える」という展開。
一気に「孤独」を感じることに。
空になったアパートに来たピーターの表情。
心がギューッとなりました。
ただ、自前のスーツで窓から飛び出しスイングしたシーンは、悲しい気持ちがありながら大きな一歩を踏み出した“新しい”スパイダーマンを感じました。
同じピーター・パーカーでありながら、全然違う存在。
過去のスパイダーマンは終わり、新しく成長したスパーダーマンの物語が始まったと感じました。
想像を超えてきた


誰が「ヴィランを治療して元の人間に戻す」って展開予想しました?
これは面白い展開ですよ!
物語の途中でヒーローなのに敵がいなくなっちゃうんですよ。
1本取られましたね。
この考えにピーター・パーカーらしさがあると感じつつ、純粋すぎる考えに「その判断ではダメでしょ!」と危険な予感しました。
ただその提案にヴィランが乗っかっちゃうんですよね。
一つの部屋にヴィラン大集結。
それを見て思考停止、なんか状況把握できず苦笑しました。
いやいやそんな上手くいくわけが、、と思っていたらサッとドクター・オクトパスが治ってしまう。
「あれ?ピーターなかなかやるじゃん!」と思ってのも束の間、グリーンゴブリン裏の顔が現れて戦闘開始。
やっぱりヴィランはそんな甘くないよね!
ドクター・オクトパス

私は言いたい。
今作のドクター・オクトパス可愛すぎません?
アームにナノテク融合したと思ったらピーターにアームの権限奪われたり、
おとなしく一人だけ治療されて治っちゃったり、
喉乾いちゃったり、

推し確定です!笑
ラストの戦闘シーンでは、スパイダーマンとの共闘を見せてくれて満足です。
トビー・マグワイアのスパイダーマンに「大きくなったな」って言うシーン。
やっと言えたねー!と涙しました。
それにしてもドクター・オクトパスが外したリアクターどこ言った?
涙無しには観られない

ヴィランの裏切りにより発生した戦闘でメイおばさんが命を落としてしまいました。

あのメイおばさんが、、、
ピーターの孤独の始まりでもありましたね。
ファンとしても信じられない展開。
「大いなる力には、大いなる責任がある」
この言葉をメイおばさんが言ったときは、時が止まりましたね。
サム・ライミ版スパイダーマンじゃん 涙
過去作のキャラクター登場

予告映像を遥かに超えるサプライズがありました。
それが過去のスパーダーマン作品でスパーダーマンを演じている、トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドの登場です!

思わず映画館で「ふぇっ!!」と変な声が漏れました。
しかも、ネッドがポータルを開くサプライズからのスパイダーマン登場!なので、これはもう制作陣に拍手です。
これに留まらずまだまだ登場します。
ここで一旦、今回初めて登場した過去作キャラクターをざっとまとめます。
- グリーンゴブリン 『スパイダーマン』より
- ドクター・オクトパス 『スパイダーマン2』より
- サンドマン 『スパイダーマン3』より
- リザード 『アメイジング・スパイダーマン』より
- エレクトロ 『アメイジング・スパイダーマン2』より
- マット・マードック Netflix配信『デアデビル』より
- スパイダーマン 『スパイダーマン』シリーズより
- スパイダーマン 『アメイジング・スパイダーマン』シリーズより
これすごくないですか??
権利問題など様々な壁を乗り越えて実現したほぼ奇跡ですよ。
しかも、全てが過去作と同様の役者さんが演じているという。はい奇跡。
個人的に意外だったのが、マット・マードックの登場ですね。

このシーンでも「えっ!!」って声漏れました 笑
ミステリオとの一件で優秀な弁護士が必要になったピーター・パーカー。
そこにやってきた優秀な弁護士がマット・マードックでした。
マット・マードックはNetflixで配信されている『デアデビル』で主役のデアデビルになる人物です。
Netflix配信のマーベル作品は途中突如打ち切りが決定したおり、闇深い作品となっていましたが、スパイダーマンの力で闇に光が射し込むこととなりました。
本当に良かった!
MCU作品、映画館でぜひデアデビルの活躍がみたいですね!
各キャラクターのやり取り

今作様々な過去作からキャラクターが登場したということで、過去に見られなかった掛け合いをMCUが実現させてくれました。
ヴィラン同士の掛け合いも新鮮で良かったですが、やはりスパイダーマン同士の掛け合いが良かった。
自由の女神像の上で3人で会話するシーン。
あれアドリブですかね?そのぐらい自然で新鮮で、ずっと観ていたいシーンでした。
そして3人でスイングするシーン。

月越しのスイングで着地。鳥肌やばかったです。
まとめ
今回の『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』は、感情を揺さぶれる作品でありながら、シンプルかつ違和感のない作品でした。
確実にMCUの中でトップになれる作品であったし、MCU版スパイダーマン3部作の垣根を超えて、スパーダーマン映画20年分の厚みがあります。
今作を観る前に過去作を見直さなかったことにとても後悔しました。
これからこの映画を観るという方には、時間の許す限り過去作を観てから映画館に行くことをオススメします!
⇒まだ観てないという方はアマゾンプライムビデオで過去作をチェック!スパイダーマンのこれからに期待してます!
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