子育てってなんて大変なんだ!!」
毎日子供に振り回されているというのに、子育てをしながら仕事をするなんて。
ましてやフリーランスだなんて。無理ゲー。
子供を抱える多くの人がそう感じていることだと思います。
「どうやって両立すればいいの?」
「子供がいるのに家で仕事できるの?」
「できたとしても何を仕事にすればいいの?」
考えることは無限にありますよね。
そんな悩める子育て世代に手を差し伸べてくれるのが、カワグチマサミさんの著書『子育てしながらフリーランス』です。
「ガツガツ働いてお金を稼ぐぞ!」という働き方は、独身のころまで。
著者は子どもが生まれてから「仕事も育児も家事もちゃんとできる母でありたい」と思っていたそうですが、そんな理想がプレッシャーとなり、体がボロボロに。
その教訓から「いい感じに働こう」と思ったそうです。
本書は、そんな「いい感じの働き方」を見つけられる1冊です。
失敗して、試行錯誤して、時には泣いて、時には笑って
著者の経験が詰め込まれ、わかりやすく、丁寧にまとめられた本です。
フリーランスで働きたいけどできないという方は、具体的なステップをイメージできるはずです。
今回、読了後にTwitterで感想を投稿したところ、著者ご本人から引用リツイートいただきました。
本記事では、子育てフリーランスの「仕事」の部分に触れていますが、「家族」との関わり方についてもかかれています。
自分だけでなく、パートナーと一緒に読むことを強くオススメします。
この記事でわかること
子育てフリーランスの特徴
理想の仕事の見つけ方
育児中にできるフリーランスの準備
本の基本情報
【タイトル】子育てしながらフリーランス
【著者】カワグチマサミ
【出版社】左右社
【初版発行日】2021年11月22日
【ページ数】291頁
著者:カワグチマサミさんについて
- 漫画家・イラストレーター
- 子育てフリーランスをテーマに講演会に登壇したり、Twitterやnoteで発信中。
- 運営サイト⇒カワグチマサミのホームページ
- モットーは「スキあらばゴロゴロする」
- 著書『子育て言い換え辞典』
本書のポイント
本書のポイントとしては、
理想を追い求めず「いい感じの働き方」を見つける
といった印象です。
まずは目次を確認していきましょう。
どの章も著者のリアルな経験が詰め込まれているので、具体的でわかりやすい内容でした。
フリーランスで働きたいけど何すればいい?
子育て中にフリーランスになるためにできることは?
フリーランスと子育て両立できるの?
誰しもが持っている疑問に対して「いい感じ」を提案してくれます。
「子育てフリーランスで働きたいけど、何をすればいいかわからない」という方は本書で全て解決します。
また、「扶養は?」「保活は?」「保険は?」
といった子育てフリーランスだからこその悩みも丁寧に解決してくれます。
子育てフリーランスの特徴
「ガツガツ働いて稼ぐぞ!!」という考えは独身のときまで。
著者は子供が生まれてから、産前と同じように働けないことに焦りを感じたそうです。
では、通常のフリーランスと子育てフリーランス何が違うのか。ここで子育てフリーランスの特徴を見ていきましょう。
子育てを優先しなくてはいけないため、時間や移動などに制約がつくのが子育てフリーランスのデメリットです。
しかしながら、夫婦で働いているということを考えれば「子育てフリーランス」側の収入が安定しない場合でも、もう一方の収入が安定していれば生活に困ることはありません。
また、子供にとって親がどんな仕事をしているかというのは、なかなか見せられないものです。
その点、家で仕事をしているということは、子どもに「働くこと」を身近に感じさせられることができます。
フリーランスでできる職業例
では、実際にフリーランスで仕事をするとなった時に、どのような職業があるのでしょうか。
本書の中で紹介されている職業例を
- クリエイティブ系
- 事務系
- エンジニア系
- 接客系
- その他
5つに分けて紹介していきます。
今回挙げたのは職業のほんの一部です。
最近では、自分のちょっとしたスキルを出品できるココナラ などのサービスもありますので、覗いてみると参考になるかもしれません。具体的なイメージがわかないな。
そのような方は、本書の「子育てフリーランスのリアル」の章で、実際に子育てフリーランスとして働いている方々(オンライン秘書、Webデザイナー、アフィリエイター、コミュニティマネージャー、ファイナンシャルプランナー)の話が書かれています。
これを読むだけでもイメージを膨らませることができます。
理想的な仕事をするための3つのポイント
意外と世の中にたくさんの仕事があることがわかったと思います。
ただフリーランスとして働くとなったら、やっぱり理想的な仕事をしたいですよね。
そんな理想を叶えるために3つのポイントがあります。
では、ポイントを一つずつ見ていきましょう。
ワクワク
フリーランスは、自由度が高い分、自発的に行動していく必要があります。
そのためには、好きなこと、得意なことじゃないと続けられません。
好きなこと、得意なこと。それが「ワクワク」です。
ワクワクがわからないという方は、自分が子どもの頃を思い出してみてください。
子どもの頃、どんなものに興味を持ったか?どんなときに、楽しいと感じていたか?振り返ってみてください。
著者は、小さい時に祖母は家に来て絵を描いてくれるときだけが楽しい時間だったそうです。
そこからイラストレーターの道に進みました。
子どもの頃を思い出す。
スキル
スキルはフリーランスの「本質」です。
スキルとは自分ができること、得意なこと、学んだこと
自分のスキルは無意識のうちにできていることが多いため、本人で気づいていないことがあります。
- すごいね!
- 頼りになるね!
- お金払うからやって!
そんなこと言われたことがあれば、謙遜する前に「もしかしたらこれがスキルかも」と受け止めてください。
「すごい!」と言われたことを思い出す。
ニーズ
仕事がある=ニーズがあるということです。
仕事として成り立たせるためには、自分のスキルを誰かに求められる必要があります。
ニーズはどこに転がっているかわかりません。
主婦向け、家族向け、その人の性格や家族構成、住んでいる地域なども、ニーズになることがあります。
ニーズを探すためには、多くのことに常にアンテナを張っておくことが重要です。
著者は自分の「ズボラ」な性格にもニーズが有ると感じたそうです。
「ズボラな人でもわかるお金の本」
「ズボラな人でも作れる料理レシピ」
「ズボラな人のダイエット」
一見、ネガティに聞こえるワードがニーズをつくることもあります。
常にアンテナを張っておく。
本書の中では、各ポイントを見つけるワークも準備されています。
また、「自分再発見&キャリア見直しシート」が本書からダウンロードできます。
気になる方は、ぜひ本書の中身を確認してみてください。
子育てフリーランスはいつから働きやすくなる?
著者の経験から、産後からどう働き方が変わるのか見ていきましょう。
- 0〜2歳フリーランス準備期間
子どもは1歳半くらいから認可外の保育園に週2〜3回通う。
とにかく無視せずマイペースに。
フリーランス準備期間と割り切る。 - 2〜6歳行動範囲を広げる
子どもは夕方まで預かってくれる送迎付きの幼稚園へ。
一気に働きやすくなる。
しかし、急な風邪などイレギュラーな対応が発生する。 - 6歳〜準備したものが芽を出すとき
子どもが小学校に上がり、送迎がなくなることで時間に余裕ができる。
SNSや交流会、ランチ会などで人との交流を増やす。
人の関わりが増えることで仕事の幅も広がる。フリーランスで時間が調整できるので、子どもの宿題のサポートなどもできる。
子育てフリーランスとして上手くいくためには、長い目でみる必要がありそうです。
子どもが小さい時は「無理しないこと」が重要です。
周りを見ると、
- 産後すぐバリバリに働く人
- 当たり前のように体型を戻す人
そんな人がいて焦りを感じている人もいるでしょう。
「お母さんも子供も人それぞれ」
とにかく無理をせず「仕事は気晴らし」くらいな感覚で始めてみてください。
育児中にできるフリーランスの準備6ステップ
では最後に、子育てが特に忙しい0〜2歳のフリーランス準備期間に何をすればいいのか解説していきます。
フリーランスの準備は次の6ステップで実施します。
- 環境を作ろう
- プロフィールを作ろう
- 実績を作ろう
- ウェブサイトを作ろう
- ブログをはじめよう
- 名刺を作ろう
環境を作ろう
まずは働く場所です。
始めの頃は、
- 費用が抑えられる
- 子どもが小さい時は保育園に預けなくてはいけない
- 移動時間が発生する
そのような理由から、住居をそのままオフィスにすることがおすすめです。
自宅の住所を仕事で使用したくないという方は、【レゾナンス】のような「バーチャルオフィス」という、オフィスの住所だけ借りることができるサービスの利用をオススメします。最近はオンライン会議も主流になっているので、どのような仕事でもパソコン環境は必須です。
特にクリエイターは高クオリティの環境を準備していたほうがいいです。
プロフィールを作ろう
フリーランスは、あらゆる場でプロフィールが必要になります。
仕事を依頼する側は、アナタはどんな人なのかを知りたいです。
プロフィールは、シチュエーションに合わせて3パターン準備しておくと便利です。
- キャッチコピー
- 名刺やホームページで使用する短いコピー
- ザクッとプロフィール
- イベントや営業のときの挨拶に使う自己紹介
- じっくりプロフィール
- ホームページや取材で使う長めの自己紹介
ここでは「+αの強み」を言葉にすることが重要です。
「どんなジャンルが得意なのか?」
「どんな知識を持っているのか?」
「どんな特別な想いがあるのか?」
一緒に働きたいと思ってもらえる、ワクワクするようなプロフィールをつくることです。
実績を作ろう
フリーランスで活動するということは、いかに信頼を重ねていくかということでもあります。名もなきフリーランスは「得体の知れない人」と思われやすいものです。
企業が個人に不安を抱くのは事実です。
そこで、信頼を伝える一番わかりやすい方法が「実績の見える化」です。
実績つくるのって難しそうだし、子育てしていたらそんな余裕ないと思うことでしょう。
そんな時はまず「身近なところから」実績を作っていきましょう。
- 友人に格安で提供する
- 名刺やホームページで興味を持ってくれた人に安く提供する
- SNS発信する
様々な方法でサービスを体験してもらい、感想をもらうことで実績にしてみてください。
ウェブサイトを作ろう
今の時代、ウェブサイトは仕事の窓口になります。
ウェブサイトには、プロフィールと実績はわかりやすく記載することが大切です。
- 過去(どんな経験を積んだか)
- 現在(今どのような仕事か)
- 未来(今後どのようなことをしていきたいか)
3点で書くと、自分がどのような人間なのか、ポジティブに伝わりやすいです。
ウェブサイトは信頼を高めるために、自分だけのオリジナルの文字列でアドレスが取得できる独自ドメインがオススメです。
細かくウェブサイトの作り方を知りたいという方は、動画で知ることもできます。
金子晃之さんの動画が特にオススメです。
ブログを始めよう
ブログは仕事にも役立ちますが、自分の状況や気持ちを整理するためにもいいツールです。
「何を書いていいかわからない」
という方も多いともいますが、結論「何でもいい」です。
まずは、自分が楽しみこと。書きたいことを書く。実はそれが一番、人の心を動かし、興味を持ってもらうきっかけになるのです。
どうしても何を書いていいかわからないという方は、本書でもオススメされている、いしかわゆきさんの著書『書く習慣』を読んでみるといいかもしれません。
書きたいという気持ちが自然に生まれてきます。
ブログは独自ドメイン、アメーバ、はてなブログなど様々存在します。
これらのどこで始めるかも重要になってきます。
ブログは運営会社によって、利用者の層も変わるため、一度覗いてみるのがいいかもしれません。
特にクリエイターの方はnoteを使用することが多いようです。
名刺を作ろう
名刺は、初対面の人に自己紹介をする重要なツールです。
名刺には下記の項目を記載しましょう。
著者はこの他に名刺一つで営業ができるように見開きの名刺を使用しており、実績やホームページの2次元コード、初回割引クーポンなども記載しているそうです。
まとめ
今回は、カワグチマサミさんの著書『子育てしながらフリーランス』を紹介しました。
仕事したい自分、子育てしないといけない自分。
その2つが葛藤して、思い悩んでいる人も多いと思います。
けどそれはとても自然なことで、
「親」というのは、子どもの命を守り育てる大きな仕事なのです。
お金だけが報酬ではありません。
だから、他のフリーランスとは比べず、子育てフリーランスは子育てフリーランスに合った働き方を選んでいきましょう。
コメント